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(1)特定商取引法が適用される契約書~クーリングオフ対応が必要

①いつのまにかクーリングオフが適用される


今まで規制されていない業種についても規制がなされる事態が起こることを意味します。

つまり、特定商取引法が適用されますと、いろいろな規制が発生します。

たとえば、法定契約書面を契約相手に交付する義務です。

さらには、クーリング・オフが適用されます。

このクーリング・オフはたいへんきびしいもので契約書面に不備がありますと、クーリング・オフ期間8日以降もクーリング・オフとなります。


②政令指定商品・権利・役務とは


政令指定とは簡単に説明しますと特定商取引法が包括的に適用されるのではなく、政令で指定された商品・権利や役務に関して限定的に法律を適用することをいいます。

改正前の特定商取引法では、特定商取引法施行令(政令)により指定された商品・役務・権利のみについて、特定商取引法を適用する趣旨の制度でした。

かりに、訪問販売であっても、商品や役務サービスの種類や内容が政令指定商品及び役務に該当しなければ、特定商取引法の適用はありませんでした。

以前の法律では、事業者は自身の業務が政令指定商品、権利、役務に該当したり、特定商取引法の規制が及ぶかをあまり気にしないで事業を行うことできました。

ところが、2008年の特定商取引法の法改正により政令指定商品制が廃止になりました。

これは、何を意味するかといいますと、すべての産業、業種、サービスに特定商取引法が適用されることをいいます。

ただし、指定権利については特定権利と名称をかえて、廃止にはいたっていません。


(2)訪問販売を行う事業者は~法改正により全業種に適用か?!

①特定商取引法が適用される契約書の必要ということです


2008年特定商取引法の改正で、政令指定商品制度が廃止されたことにより、従来は適用が除外されていた広範囲の業種にまで、訪問販売規制が適用されます。

つまり、すべての業種に原則、訪問販売法(現特定商取引法)による規制が適用されます。

そのため営業所以外で消費者と取引をする場合、消費者からのクーリング・オフ手続きに対処する契約書の必要性が求められます。


②指定権利の例外


指定権利に関しては、今までとおり指定された権利に関してのみ特定商取引法の規制があります。

指定権利は下記のようになります。

①保養のための施設又はスポーツ施設を利用する権利 ②映画、演劇、音楽、スポーツ、写真又は絵画、彫刻その他の美術工芸品を鑑賞し、又は観覧する権利 ③語学の教授を受ける権利 の三種類が指定されています。

要するに、商品等の販売契約や役務サービス契約で、店舗の外での取引の場合に特定商取引法が関わってきます。

(3)政令指定商品・権利・役務~包括的規制

政令指定商品・役務・権利


政令指定商品制は、訪問販売、電話勧誘販売、通信販売の取引類型について指定権利を除き廃止となりました。

したがって、訪問販売や電話勧誘販売を行なう場合、上記の指定権利や適用除外を除き、すべての消費者取引に特定商取引法の規制を受けることになります。

事業者の事業経営に与える影響は、増すばかりです。


(4)割賦販売法には政令指定商品等の制度がある

割賦販売法では政令指定商品・権利・役務の制度があります


特定商取引法では、指定権利を除き政令指定商品・役務は廃止されました。

しかし、割賦販売法では政令指定商品・権利・役務の制度が残存しています。

そこで、契約書を作成する上で、上記のことを考慮しなければなりません。

いずれにしても、クーリング・オフに対応する契約書の作成には、特定商取引法、消費者契約書、割賦販売法、民法、商法、建設業法その他法令が複雑に関連しあっていますので、 一部の修正であっても契約全体に影響しますので、これらの法律の把握や習得が必要になります。


特定商取引法・消費者契約法編~相談事例集

  • 特商法
  • 政令指定商品制
  • 政令指定商品制は廃止になりました。
  • 訪問営業を行うすべての業種にクーリングオフが適用されます。
  • 政令指定役務も廃止されました。
  • 指定権利は存続しています。




      



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